ゴキブリの誘導精度は94%を達成
改造の対象となったのはマダガスカルの森林に生息するゴキブリの一種(Gromphadorhina portentosa)です。
研究者たちは、この普段は落ち葉などの植物を食べて過ごしている温和なゴキブリの背中に、通信アンテナと赤外線カメラ、そして電気刺激装置を搭載した装置を載せました。
電気刺激装置はゴキブリの後方に存在する「しっぽ」のように突き出た2本の尾毛と腹部の中央部分の左右に埋め込まれた電極(計4本)とつながっています。
ゴキブリの尾毛は触覚のように物体を感知する働きがあり、ゴキブリは刺激された尾毛とは反対の方向に方向転換する習性があります。
研究者たちは今回、この尾毛への刺激を電気的に行うことで、ゴキブリの遠隔操作を試みました。
結果、見事にゴキブリの動きを制御することに成功します。
研究者たちの予想通り、ゴキブリは左の尾毛を刺激されると右に曲がり、右の尾毛を刺激されると左に曲がりました。
さらに、上の図のような実戦的な環境を用意して遠隔操作を行ったところ、94%の精度で目標地点への誘導を成功させます。
また赤外線カメラのみを用いて「ゴキブリ視点」で操作を行った場合も、87%の精度で誘導に成功します。