結露
結露 / Credit:Depositphotos
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電源無しで「空気から飲料水を収穫できる」装置が開発される (2/2)

2021.07.04 Sunday

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外部電源なしで24時間稼働する飲料水生成装置

寒い冬には、室内の窓ガラスに滴が生じます。これは結露と呼ばれる温度差による現象です。

新しい飲料水生成装置では、大きな箱の中に結露を生じさせることで飲料水をつくります。

新しい装置の概略図
新しい装置の概略図 / Credit:Iwan Haechler(ETHZ)_Harvesting drinking water from humidity around the clock(2021)

このプロセスは、「箱の上部に設置された大きな円錐形のコーン」と「箱の天井であるガラス板」によって生じます。

まずコーンは放射シールドとして機能し、コーン下のガラス板に加わる太陽光や熱を低減。

またガラス板は特殊なポリマーと銀の層でコーティングされており、太陽光を反射します。

加えて周囲の熱も捕捉し放出できます。

研究チームによると、特定の赤外線波長で放出するため、「大気を通過して宇宙空間に直接放出される」とのこと。

これにより、ガラス板は外気温よりも15℃低くなります

そしてこの温度差がガラスの下側(箱の内側)に結露を生じせます

さらにガラスの内側には超撥水コーティングが施されており、水滴がしたたり落ちるのを促進。

結果として、箱内下部に設置された回収装置に飲料水がたまります。

超撥水コーティングにより、水滴が落ちる
超撥水コーティングにより、水滴が落ちる / Credit:Iwan Haechler(ETHZ)_Exploiting radiative cooling for uninterrupted 24-hour water harvesting from the atmosphere(2021)

今回の実験には幅10cmのガラス板が使用され、1日あたり4.6mlの水を集めることができました。

スケールアップした場合、1m2で1日あたり約1.3Lの水が得られるとのこと。

もちろん、他の生成装置であればもっと多くの飲料水を集められます。

ただし、外部電力なしで24時間水を生成し続けられるのは、この新しい装置だけであり、重要なメリットと言えるでしょう。

今後チームは、装置のスケールアップを目指して調査と研究を続ける予定です。

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