外部電源なしで24時間稼働する飲料水生成装置
寒い冬には、室内の窓ガラスに水滴が生じます。これは結露と呼ばれる温度差による現象です。
新しい飲料水生成装置では、大きな箱の中に結露を生じさせることで飲料水をつくります。
このプロセスは、「箱の上部に設置された大きな円錐形のコーン」と「箱の天井であるガラス板」によって生じます。
まずコーンは放射シールドとして機能し、コーン下のガラス板に加わる太陽光や熱を低減。
またガラス板は特殊なポリマーと銀の層でコーティングされており、太陽光を反射します。
加えて周囲の熱も捕捉し放出できます。
研究チームによると、特定の赤外線波長で放出するため、「大気を通過して宇宙空間に直接放出される」とのこと。
これにより、ガラス板は外気温よりも15℃低くなります。
そしてこの温度差がガラスの下側(箱の内側)に結露を生じせます。
さらにガラスの内側には超撥水コーティングが施されており、水滴がしたたり落ちるのを促進。
結果として、箱内下部に設置された回収装置に飲料水がたまります。
今回の実験には幅10cmのガラス板が使用され、1日あたり4.6mlの水を集めることができました。
スケールアップした場合、1m2で1日あたり約1.3Lの水が得られるとのこと。
もちろん、他の生成装置であればもっと多くの飲料水を集められます。
ただし、外部電力なしで24時間水を生成し続けられるのは、この新しい装置だけであり、重要なメリットと言えるでしょう。
今後チームは、装置のスケールアップを目指して調査と研究を続ける予定です。