注ぎすぎると中身がなくなるカップ
「ピタゴラスのカップ(Pythagorean cup)」あるいは「貪欲なカップ(greedy cup)」と呼ばれる杯は、中心にポールの入った独特の形状をしています。
このカップに水を注ぐと、普通に中に水が満たされていきますが、一度真ん中のポールの高さを超えてしまうと、中身が全部底から流れ出てしまいます。
まったく知らないという人は、まず下のようなカップを紹介している動画を見てもらうと早いでしょう。
確かにカップに注いだ水は、ある高さを超えるとカップの底から流れ出てしまっています。
なぜこのようなことが起きるのでしょう?
この仕組みを理解するため、カップの断面図を見てみましょう。
こうしてみると、このカップの秘密はカップの真ん中に立てられたポールにあることがわかります。
カップはこのように、中央のポールの中をU字型の管が走っており、底にこの管とつながる穴が空いています。
1度カップの中身が、ポールより高い位置まで水位をあげてしまうと、たちまち管を伝って中身がすべて流れ出ていってしまうのです。
しかし、なんで1度管に水が流れ始めると、中身がなくなるまで水は流れ続けるのでしょう?
これはサイフォンの原理と呼ばれるものを利用しています。