回転速度
私たちの銀河が渦巻状であることを示す他の証拠は、銀河を構成している星々の動き方です。その位置を特定し速度を測ると、そのベクトルにランダムではない回転成分を含むことがわかります。これは、渦巻銀河の特徴です。
太陽のような恒星は、重力によって非常に濃い水素ガスが核融合を起こすことで生まれます。水素の塵や瓦斯の残存物は、超新星爆発で撒き散らされます。これらの雲が光と相互作用すると、光子をランダムに散乱させ、星の傍に揺らめくシミを生み出します。これらのシミを探すことで、星の位置を特定でき、目印として使えます。
これらのシミを特定した天文学者たちは、星星が中央の明るい膨らみから飛び出した渦の枝に集中していることを発見しました。これらの渦は渦巻銀河の「腕」として参照されます。さらなる75年間の研究で、電波、赤外線、X線望遠鏡を使ってその存在は確認され、その回転する雲は10万光年の長さを持ち、1000光年の厚さをもっていることがわかりました。この超巨大円盤の上に太陽系は、中央から伸びた腕の2万5千光年の内側の縁にあります。
この大雑把な地図は、GAIA衛星による銀河系の詳しい観察データによって古いものとなるでしょう。天の川銀河の10億もの恒星と惑星間ダストなどのあらゆる物質が明らかにされます。現在GAIAによって得られたデータで様々な研究がなされています。
銀河の腕が発見されると、渦の数が2つか4つかを巡っての議論が長らくされていました。その解決を見たのはNASAのWISEによって、腕の数が4つであることが確認されたときです。じょうぎ・はくちょう腕、いて腕、たて・みなみじゅうじ腕、ペルセウス腕と呼ばれる4つです。さらに、天の川銀河はただの渦巻銀河ではありません。棒渦巻銀河です。腕が伸びている中心は円ではなく、銀河の中心に横たわる長方形の短い2端の辺です。