人間にとって天の川銀河の姿を突き止めようとする活動は、細菌が地球の姿を突き止めようとすることに等しく、私たちがそれを見分けるための観測点に立つことは不可能。なぜならそれは、銀河の外側にあるからです。
最も高名な天文学者であるエドワード・ハッブルは、銀河の基本構造を4タイプに落とし込みました。それは、渦巻き銀河、楕円銀河、レンズ状銀河と不規則銀河です。私たちのアパートの窓から、詳細に観察することで近所の家のいくつかをモデル化したとしても、たどりたいのは私たちの住むアパート自体なのです。
現在天の川銀河は、ひまわりの種の並びのような、渦巻き状であることを強く示唆する証拠があります。では、それらは一体どのように発見されたのでしょうか?今回は天の川銀河が「渦巻き銀河」だとわかる証拠について、紹介していきます。
星の円盤
最初の証拠は、暗い夜の空に浮かんだ星星を単純に眺めることで発見されました。大気汚染のない地域では、天の川銀河は裸眼で観察できます。この美しい風景を楽しむとき、観察者は暗闇の中の狭い範囲に伸びて並んだ光る星星に気づくでしょう。
この並んだバンドの間には膨らみがあり、バンドの両側にはみ出しています。こういった細長い領域に詰め込まれた星々という出で立ちによって、私たちが見ているのが横向きの円盤であることがわかります。天の川銀河は中央が膨らんだ平らな円盤として存在しているのです。最初、研究者にはそれは信じられなかったといいます。どの方向を眺めようとも、星を見つけられるように思われたのです。
しかし、何百もの場所から星の地図を作ると、この円盤ははっきり見えるようになります。20世紀に、天文学者ヤコブス・カプタインは、他の何人かの天文学者の手を借りて、600の異なる場所からそれを行いました。同時に、天の川銀河の高精度なパノラマを作るために星空の写真を撮っています。
ヤコブスの地図では、星が集中している弧がはっきりと見えます。現在天文学者たちはこの弧の角度を15度まで狭めています。また、赤外線で銀河の写真を撮る2MASS探査で撮られた写真の中でも、この円盤は明らかです。
銀河が異なった形であった場合、星の並びもまた大きく異なったものとなっていたでしょう。例えば、天の川銀河が球形だった場合、星とその光は全天に散らばっており、柱状に限定されていないでしょう。一方、楕円銀河であったなら、その平面の上か下かにいることとなり、空は片方の面がもう一方より明るいというふうに分断されるでしょう。