ゲノム編集で生まれたオポッサムの子どもたち(左)
ゲノム編集で生まれたオポッサムの子どもたち(左) / Credit: 理化学研究所-有袋類の遺伝子改変に世界で初めて成功(2021)
biology

有袋類では初めてオポッサムの遺伝子改変に成功! (2/2)

2021.07.24 Saturday

前ページゲノム編集のためにクリアすべき難点

<

1

2

>

有袋類の遺伝子改変に初成功!

チームは、ゲノム編集のターゲットとして、色素合成酵素の「チロシナーゼ(Try)遺伝子を選び、遺伝子ノックアウト(破壊)を行いました。

チロシナーゼ遺伝子が破壊されることで、細胞は色素を産生できなくなります。

13匹のメスを対象に先の手順で、溶液の注入・受精卵の移植をした結果、8匹のメスから計33匹の子どもが生まれました。

そのうちの5匹は、チロシナーゼ遺伝子が破壊されたことを示す「アルビノ(白色個体)」となっています。

また、2匹の子どもは、一部の細胞が色素をつくれない「モザイク(混合個体)」となっています。

ゲノム編集で生まれた子ども
ゲノム編集で生まれた子ども / Credit: 理化学研究所-有袋類の遺伝子改変に世界で初めて成功(2021)

さらに、ゲノム編集されたオポッサムの遺伝子(チロシナーゼ遺伝子の欠如)は、次世代に受け継がれていました。

有袋類におけるゲノム編集のための技術の確立と、実際の遺伝子改変の成功は世界初の快挙です。

この成果は今後、謎の多い有袋類の発生メカニズムや、有袋類に特有の性質を遺伝子レベルで解明する手助けとなります。

さらに、有胎盤類との比較を通して、哺乳類の進化の理解にも大きく貢献するでしょう。

<

1

2

>

コメントを書く

※コメントは管理者の確認後に表示されます。

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

生物学のニュースbiology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!