ごみ箱のふたを開ける「賢いオウム」の登場と「真似するオウムたち」
2018年に開始されたオンライン調査では、オーストラリアのさまざまな地域の人々から、「オウムのごみ箱開け」の目撃情報が集められました。
その結果、調査開始時の2018年には、3つの地域で目撃。
そして2019年後半までには、44の地域にまで目撃情報が広がっていきました。
しかもオーストラリアでランダムに目撃情報が現れたのではなく、近隣地域から徐々に広がっていったと判明。
クランプ氏は、「これらの結果は、オウムが他のオウムから方法を学んだことを示している」と述べています。
オウムたちには社会的学習能力があり、真似することでごみ箱のふたを開けられるオウムが増えていたのです。
これは1羽の賢いオウムが新しい方法を開発することで、他のオウムにも同じ賢い方法が伝わってしまうことを意味します。
また一部のスポットに集まる約500羽のオウムに印をつけて観察したところ、実際にふたを開けられるオウムはそのうちの約10%であり、そのほとんどが大きなオスだと判明。
研究チームはこの原因を、「力が強いのでふたを開けやすかった」「他のオウムよりも強いため食料にアクセスしやすかった」と推測しています。
さて今回、オーストラリアのオウムが「まねっこ」によって賢い方法を学んでいると分かりました。
学術的には非常に魅力的な発見ですが、近隣住民にとっては「ごみ箱あさり」が大きな問題となっています。
今後は動物たちの社会的学習を考慮に入れた対策が必要になってくるかもしれませんね。