3÷0はいくつ?0÷0はいくつ?
まず、「3÷0」について考えてみましょう。
「3÷0の答えは存在し、その答えはcである」と仮定して、割り算の定義にしたがって考えてみると……
cは
c×0=3
となる数、つまり、「0をかけると3となる数」のこととなります。
しかし、「0をかけると3となる数」は存在しません。
これは、3だけではなく、0でない数aに対しても、同じことが言えます。
「a÷0の答えは存在し、その答えはcである」と仮定すると……
cは
c×0=a
となる数、つまり、「0をかけるとaとなる数」のこととなります。
aが0でない場合は、「0をかけるとaとなる数」は存在しません。
では次に、「0÷0」について考えてみましょう。
「0÷0の答えは存在し、その答えはcである」と仮定すると……
cは
c×0=0
となる数、つまり、「0をかけると0となる数」のこととなります。
先ほどとは違い、このようなcは存在します。例えば、c=1の場合に、c×0=1×0=0となりますよね。
「じゃあ、0÷0=1だ!」と言いたいところですが、c=2やc=3など、cにどんな数を入れても「c×0=0」は成り立ってしまうのです。
となると、先ほどの割り算の定義にあった「ちょうど1つ存在する」の部分に矛盾してしまいます。
以上をまとめると、
・aが0でないとき、a÷0=cと仮定すると、このようなcは存在しない
・0÷0=cと仮定すると、このようなcは1つに定まらない
ということになり、以下の割り算の定義
“
a÷bとは、「bをかけるとaとなるcがちょうど1つ存在するとき」そのcのこととする。
“
(難波博之「学校では絶対に教えてもらえない超ディープな算数の教科書」p.58より引用)
に矛盾してしまうのです。
そのため、「a÷0は定義されない」とするのが一般的になっています。
こんな背景から、「0で割ってはいけない」と言われているんですね。