その正体を誰も知らない
クマリ氏が住む地域の森林科学者、食品科学の教授たちに連絡を取ったところ、誰もMaerua oblongifoliaの木を見たことがありませんでした。
そこで南の地域に移って同様に調査しましたが、そこでもやはり科学者たちはこのスナックや木についてよく知りませんでした。
そして調査を続けるうちにクマリ氏は、次の事実を知ることとなります。
「インドの北から西、また南のいくつかの地域で、何十年もの間広く販売されているスナックの正体を、食べている人も、科学者たちも、なぜか誰も知らない」のです。
ところが2011年、クマリ氏はMaerua oblongifoliaの繁殖に関する論文とその著者たちから情報を得ることに成功。
彼らによると、「Maerua oblongifoliaの根は食べられない」とのこと。
また、「乾燥した地域で育つMaerua oblongifoliaの根が、このスナックほど太くジューシーになるための水がどこにあるのか? スナックがMaerua oblongifoliaであるはずがない」と述べました。
つまり、人々がもつ一般的な情報すら間違っていたのです。
スナックの正体は、ますます分からなくなりました。