開発者とこだわりとATLASのトレーニング
人型ロボットATLASは、世界でもっともコンパクトな携帯油圧システムを備えていて、28の油圧ジョイントによって優れた機動性を実現しています。
移動速度は1.5m/sで、俊敏に移動し、3Dプリントされた軽量なパーツで、跳躍や宙返りに必要な強度と重量の比率を実現しているそうです。
パルクールのコースをクリアするロボットの動作は、人間が実際に動きを試し、それを取り込んでアルゴリズムを設計し実現されていきます。
そして、実は今回の動画は、この日初めて、2台のロボットが障害物コースを完璧にクリアした姿なのだそうです。
つまり、それまでは失敗を繰り返していたわけです。
成功した超人的な動きだけ見ていると、飛んでもないロボットが登場したと思ってしまいますが、なんだかこうした失敗している姿を見ると親近感が湧きます。
ロボットも人間と同じように練習を繰り返し、トレーニングしてやっとあのスムーズな動きを獲得しているのです。
だからこそ、最後にコースを完璧にクリアしたあと、ガッツポーズを取っているわけです。
ポーズを組み込んだのはもちろん開発者ですが、ここにも開発者たちのこだわりがあるようです。
実は、AtlasチームリーダーであるScott Kuindersma氏によると、この単純な動作でほんのわずかなステップにミスがあったのだといいます。
「動画をよく見ると、ちょっと不格好ですよね。
少しぎこちない感じがしますが、これもテストしてきた動作を活かしてもっといいものにする自身があります」
動画を見ている人は気づかないと思いますが、開発チームはそんな細部の動作まで気を配り、正しい動作にしたいと考えているようです。