3Dバイオプリントされた脳腫瘍モデルで新薬実験がはかどる
最初にチームは、手術室で患者の腫瘍から周囲の組織と一緒にサンプルを採取。
次に、このサンプルから患者のMRI画像に合わせて、患者の腫瘍にそっくりなモデルを3Dバイオプリントします。
作られた腫瘍モデルは脳のようなゲル成分でできており、血球や薬剤が流れる血管のようなチューブも備わっています。
これにより本物の腫瘍がどのように形成され、治療薬にどんな反応をするか観察できるのです。
サッチフェイナロ氏は、「100個の小さな腫瘍モデルを3Dプリントして、さまざまな薬を多様な組み合わせでテストできます。これにより最適な治療法を発見できるのです」と述べました。
また、最も良い反応があった「有望な化合物」に時間と資金を投資できるというメリットもあります。
これは新薬開発を加速させるでしょう。
実際チームはこの新しい技術によって、膠芽腫の増殖を促す「特定のタンパク質経路」を標的にした治療を可能にしました。
その結果、膠芽腫の成長が遅くなり、がん細胞の広がりを止めることに成功したとのこと。
サッチフェイナロ氏は、「3Dプリントされた腫瘍モデルが、治療効果の予測、薬剤標的の発見、新薬開発に適していることを証明しました」と語っています。
新しい技術が確立するなら、臨床試験の成功率は向上するでしょう。
今後の新薬開発の加速に期待したいですね。