3Dバイオプリントされた膠芽腫モデルの顕微鏡画像
3Dバイオプリントされた膠芽腫モデルの顕微鏡画像 / Credit:Ronit Satchi-Fainaro(TAU)_Microengineered perfusable 3D-bioprinted glioblastoma model for in vivo mimicry of tumor microenvironment(2021)
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患者の「脳腫瘍を3Dプリント」して治療法をテストできる技術が登場 (2/2)

2021.08.20 Friday

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3Dバイオプリントされた脳腫瘍モデルで新薬実験がはかどる

脳腫瘍の3Dプリント法の概略図
脳腫瘍の3Dプリント法の概略図 / Credit:Ronit Satchi-Fainaro(TAU)_Microengineered perfusable 3D-bioprinted glioblastoma model for in vivo mimicry of tumor microenvironment(2021)

3Dプリントによる新薬実験の方法は次のとおりです。

最初にチームは、手術室で患者の腫瘍から周囲の組織と一緒にサンプルを採取。

次に、このサンプルから患者のMRI画像に合わせて、患者の腫瘍にそっくりなモデルを3Dバイオプリントします。

作られた腫瘍モデルはのようなゲル成分でできており、血球や薬剤が流れる血管のようなチューブも備わっています。

これにより本物の腫瘍がどのように形成され、治療薬にどんな反応をするか観察できるのです。

3Dバイオプリントのプロセス
3Dバイオプリントのプロセス / Credit:Ronit Satchi-Fainaro(TAU)_Microengineered perfusable 3D-bioprinted glioblastoma model for in vivo mimicry of tumor microenvironment(2021)

サッチフェイナロ氏は、「100個の小さな腫瘍モデルを3Dプリントして、さまざまな薬を多様な組み合わせでテストできます。これにより最適な治療法を発見できるのです」と述べました。

また、最も良い反応があった「有望な化合物」に時間と資金を投資できるというメリットもあります。

これは新薬開発を加速させるでしょう。

実際チームはこの新しい技術によって、膠芽腫の増殖を促す「特定のタンパク質経路」を標的にした治療を可能にしました。

その結果、膠芽腫の成長が遅くなり、がん細胞の広がりを止めることに成功したとのこと。

サッチフェイナロ氏は、「3Dプリントされた腫瘍モデルが、治療効果の予測、薬剤標的の発見、新薬開発に適していることを証明しました」と語っています。

新しい技術が確立するなら、臨床試験の成功率は向上するでしょう。

今後の新薬開発の加速に期待したいですね。

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