さまざまな3D形状を形成できる
この材料からはさまざまな可能性を持つ生体材料を作ることができるだろうと、研究者は語ります。
例えば医療に関するタンパク質を分泌する酵母細胞を用いれば、ホルモンや酵素を生成し皮膚の傷を修復してくれる絆創膏のようなフィルムを生成することができます。
また、スフェロイドから作られたパターンは、材料をさまざまな3D形状に成形することを可能にします。
このように生体材料でテトリスのようなブロックや、ノコギリ状のリングなど、さまざまな立体形状を作り出せるのです。
材料は柔軟性があり、相互に接続されているためその形は崩れにくくなっています。
成長した材料は培養に使ったろ紙に張り付くのも確認されたと報告されています。
この研究には米国海軍研究局も出資を行っており、そのサイエンス・ティレクターを務めるパトリック・ローズ博士は次のように述べています。
「生物のシステムを模倣するだけでなく、私たちのニーズに従う材料を生み出すことで、最終的には、問題が目に見える前に素材が自ら考え、システムの故障を防ぎ製品の寿命を延ばすものを最終的に目指したいと述べています」
研究チームは、他の素材(例えば、綿、グラファイト、ゼラチンなど)の特性を持った新しいスフェロイド構成要素を開発し、さらに複雑なデザインを作り出すことを目指していくと述べています。
それは生体フィルターや、移植可能な電子機器など、新しい用途につながる可能性があります。
ゲームなどに登場するような、生物的な材料で作られた気持ちの悪い建物が、そのうち当たり前になったりするのかもしれません。
でも、損傷を勝手に修復してくれるなら、そういう建築物もありかもしれませんね。