太陽に似た星の4分の1は自星系の惑星を食べている
太陽に似た星の4分の1は自星系の惑星を食べている / Credit:canva
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「太陽」の4分の1は自分の惑星を食べていた (2/2)

2021.09.02 Thursday

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惑星を食べた星を特定する3つの証拠

の誕生時には、原始惑星系円盤というものが形成されます。

ここでは元素の揮発性などの違いから、徐々に円盤内の温度差で元素が分別されていきます

このため、星に集まりやすい元素と、惑星で凝縮されやすい元素には、それぞれの傾向が出てきます。

星系は恒星とそれを取り巻く塵の円盤から形成されていく。星に集まりやすい元素と、惑星で凝縮しやすい元素には傾向がある。
星系は恒星とそれを取り巻く塵の円盤から形成されていく。星に集まりやすい元素と、惑星で凝縮しやすい元素には傾向がある。 / ChaoticNASA/JPL

鉄は岩石質の惑星に多く見られる元素です。

もし初期の星系が混沌としていて、惑星が太陽に飲み込まれてしまった場合、星の外層の鉄分などに大きな違いが出てくる可能性があるのです。

今回の研究チームは、こうした星の化学組成を分析することで、惑星を食べてしまった星を特定する、3つの明白な証拠を発見しました。

まず、第1は、外層が薄く鉄分が豊富な星です。

第2に、リチウムが多く含まれるということです。

リチウムは星の中ではすぐに破壊されてしまう元素です。そのため、リチウムレベルの高い星は、あとからリチウムを保存した惑星を食べてしまったと考えることができるのです。

第3に、炭素が豊富に含まれるということです。

炭素は揮発性の元素であるため、惑星で濃縮されたのもでなければ、星には大きな含有量の違いが生まれないためです。

こうした伴星と比べることで明らかとなった、星の化学組成は、かつて惑星を食べたことのある太陽を見分けるために役立つ知識となります。

ここから研究チームは、惑星を食べたことがある太陽が、どの程度存在するかを分析しました。

すると、宇宙では約27%の太陽が、自分の星系の惑星を食べてしまうという、ダイナミックで混沌とした過去を持つことがわかったのです。

太陽系外惑星を観測する目的の多くは、生命がそこに存在するかという点にスポットが当てられます。

しかし、宇宙には非常に多くの星系が存在します。

そこで、生命の可能性を探る天文学者は、そこが調査に値する星系かどうか、早い段階で判断したいと望んでいます。

もっとも観測しやすい中心にある太陽の化学組成から、それが判断できるかもしれないという今回の研究は、今後地球のような惑星を宇宙で探す際に役立っていくと期待できます。

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