200年研究しても謎だらけ!太陽の極観測は宇宙でも難しい「のぞき見」だった
太陽は地球からわずか約1億5000万キロの位置にある、最も身近な恒星です。
しかしその割には、私たちは太陽の正体について、まだ少ししか知りません。

その理由の1つが、観測可能な位置の制限です。
地球は、太陽の赤道に対して約7.25度傾いた面(黄道面)上に存在しています。
他の多くの惑星や運用中の宇宙船もその傾向は変わらず、赤道からやや傾いた面に位置します。
そのため、どんなに高性能な望遠鏡や人工衛星を使っても、私たちが観測できるのは、太陽の「赤道付近」に限られています。
つまり、これまで人類は、太陽の南極や北極を真正面から見ることはできなかったのです。
とはいえ、太陽の極域には私たちの生活に直結する重大な情報が詰まっています。
たとえば、太陽の磁場はおよそ11年周期で「反転」することが知られており、この磁場の再編が太陽フレアや太陽風の強度と発生時期に深く関与しています。
そして、この反転の舞台となるのが、まさに南北の極域なのです。
ところが、その重要なエリアがずっと未観測でした。
これが太陽観測における大きな空白地帯であり、科学者たちにとっては最大のフロンティアだったのです。
そんな状況に、ついに終止符が打たれました。