12カ月の満月の名前と由来
それでは、各月における満月のネーミングの由来と、バリエーションについて見ていきましょう。
1月:ウルフムーン(狼の月)
真冬の食糧不足を嘆く飢えた狼の遠吠えにちなんで名付けられました。別名には「オールドムーン(古い月)」「アイスムーン(氷の月)」もあります。
2月:スノームーン(雪の月)
北米においては、2月は典型的に寒く雪が多く降る季節のため。「ストームムーン(嵐の月)」と「ハンガームーン(飢えの月)」も一般的な名前なのだそう。
3月:ワームムーン(芋虫の月)
3月の満月は冬の最後の満月です。雪解けした地面に現れた芋虫が這うとできる軌跡にちなんでアメリカ先住民が名付けたのだとか。
ほかには「チェストムーン(貞淑な月)」「デスムーン(死の月)」「サップムーン(樹液の月)」などがあります。
北米にはメープルシロップがとれるサトウカエデの木がありますが、原料の樹液を採取するのがこの時期だからでしょう。3月は活き活きとした生を感じる名前と静止した静かな印象の名前が混じって極端なのが興味深いですね。
4月:ピンクムーン(ピンクの月)
北アメリカの先住民が、早咲きの野生の花「フロックス」にちなんで名付けたのだそう。ほかの文化では、「スプラウティンググラスムーン(草の新芽が出る月)」「エッグムーン(卵の月)」などがあります。後者はイースターと関連していそうです。
5月:フラワームーン(花の月)
春本番になるにつれ、たくさんの花が咲きます。そこで5月の満月を「花の月」と呼ぶ文化は多いのだそう。ほかには「ヘアムーン(野うさぎの月)」「ミルクムーン(ミルクの月)」などがあります。
6月:ストロベリームーン(いちごの月)
北米では、6月にイチゴが収穫されると満月になることに由来しています。ヨーロッパでは「ローズムーン(バラの月)」と呼ばれ、これまた洒落ています。
7月:バックムーン(雄鹿の月)
雄の鹿の角は毎年落ちて生え変わりますが、その角が再度成長をはじめるのが7月なことからアメリカ先住民が名付けたのだそう。ほかには、夏の嵐に由来する「サンダームーン(雷の月)や、干し草を収穫するため「ヘイムーン(干し草月)」もあります。
8月:スタージョンムーン(チョウザメの月)
北米の魚を捕る部族の呼び方に由来します。8月にチョウザメがたくさん現れたからだそう。ほかには「グレインムーン(穀物の月)」や「レッドムーン(赤い月)」の名前も。後者は夏の霞の影響で、月が赤みがかって見えるからだとか。
9月:コーンムーン(とうもろこしの月)
「full corn moon」とも。しっかりコーンの粒が実っている状態です。とうもろこしが夏の終わりに収穫されることから。また、この時期は月が明るく早く昇るため、農民は夜まで収穫を続けたのだそう。
ほかに「ハーベストムーン(収穫の月)」があり、日本ではこちらの方がポピュラーな印象なので、冒頭に上げました。十五夜が収穫への感謝の意味を持つ行事ですので、馴染みやすいと思います。
10月:ハンタームーン(ハンターの月)
夏の間にしっかり餌を食べて肥えた鹿や、草が枯れてきて野原に隠れられなくなった狐を狩るのにベストな月なことから。また、9月と同様、月が明るいので狩人が夜に獲物に忍び寄れてハンティングに良い時期なのが由来だそう。別名では「トラベルムーン(旅の月)」、「ドラインググラスムーン(枯れ葉の月)もあります。
11月:ビーバームーン(ビーバーの月)
この月の名前の由来は、意見が分かれているのだとか。アメリカ先住民がこの月にビーバーの罠を仕掛けたことに由来するという説や、ビーバーが冬のダムを作るためにこの時期によく活動するから、という説も。別名では「フロストムーン(霜の月)」があります。
12月:コールドムーン(冷たい月)
12月には冬が到来するので、この名前がつけられたのだそう。ほかには「ロングナイトムーン(夜長の月)」「オークムーン(樫の月)」などがあります。
以上、海外での満月のニックネームの由来でした。よく知られているもの以外で、心がくすぐられるものもあったのではないでしょうか?