人間での臨床試験も始まっている
今回の研究により、サイトカインの生産命令を含んだmRNAが、マウスのがんに対して非常に効果的であることが示されました。
サイトカインによる警報は非常に強力であり、新型コロナウイルスの感染では、過剰な警報が肺をボロボロにしてしまうことが報告されています(サイトカインストーム)。
腫瘍内部にサイトカインの生産命令(mRNA)を入れることで、サイトカインの攻撃力を腫瘍に向けることが可能になります。
なお現在、動物実験での有望な結果を受けて、人間を対象としたフェーズ1の臨床試験が開始されているとのこと。
中間報告によれば、mRNAの投与によって命にかかわるような副作用は生じていないとのこと。
(※フェーズ1は安全性の確認が目的)
また腫瘍に対する調査では、マウスに似たインターフェロンガンマとCD8+T細胞浸潤の増加が確認されたようです。
今後、全てのフェーズがクリアされ、mRNAによるがん治療が実現すれば、人類の死因の上位から、がんが消える日が来るかもしれません。