厚さがわずか3マイクロメートルの「量子ドットLED」パネル
LEDが単なる電球の代替品だったのは、今や昔。
現在のLEDはスマホ、PC、テレビなどさまざまなディスプレイの裏側で「光源」としての役割を担うようになっています。
そのためLEDとLEDが発した光を多様な色に変換する仕組みは日々、小型化・薄型化していっています。
しかしシステムが薄くなればなるほど、曲げや折りたたみなど物理的な力に対して耐性を持つ必要が出てきます。
そこで今回、韓国の基礎科学研究所の研究者たちは、LEDと量子ドット技術(波長変換技術)を組み合わせた厚さ3マイクロメートルの超薄型のパネルを開発しました。(※ 3マイクロメートルは、髪の毛の太さの30分の1ほど)
新たなパネルは上の動画のように高い柔軟性を持つだけでなく、折りこみに対しても耐性を持っています。
研究者たちによれば、この折りこみは、レーザーを用いた削り加工によって可能になったとのこと。
レーザーが、発光パネルの表面を覆うフィルムを適度に削りとることで「折れ線」を形成したのです。
研究では折れ線が掘られたパネルが、蝶・ピラミッド・紙飛行機の一部などへ加工され、屈折している様子が示されています。
また追加の実験では、パネルに対して500回以上、折りたたみを行ったあとも、完璧な明るさを維持できることが示されました。
平面的なディスプレイを立体的な構造に直接加工する技術が普及すれば、色や模様を自在に変えられるアクセサリーや髪留め、ボタン、靴などの電子ファッションを開発することができるでしょう。
また折りこみに事前の指定がなく自由に行えるようになれば「電子ペーパー」として本物の紙にとって代わる日が来るかもしれません。