ビッグバンは通過点に過ぎない
ベントー氏は、因果集合理論が宇宙の最初の瞬間をどのように表現するか、インペリアル・カレッジ・ロンドンのスタブ・ザレル氏と共同で研究を勧めました。
従来の因果集合理論では、因果集合は無から生じて現在の宇宙まで成長したとされています。
しかし、彼らは、そもそも因果集合に始まりが必要かどうかということを検討しました。
すると、彼らの研究では、因果集合は過去に向かって無限に続き、常に前に何かがある状態となり、ビッグバンという始まりは存在しないことが示されたのです。
彼らの理論によれば、私たちがビッグバンと認識しているものは、この常に存在する因果集合の進化における特定の瞬間に過ぎず、真の始まりではなかった可能性があるとのこと。

ただ、この理論はまだ少数の物理学者が注目する理論でしかなく、論文も査読付き科学雑誌へは掲載されていません。
宇宙の過去が無限にあるということが、物理的に何を意味しているのかも、まだよくわかりません。
とはいえ、「宇宙に始まりがない」と言うことは、少なくとも数学的には可能なことなのです。
※この記事は2021年10月に公開したものを再掲載しています。
現宇宙は無限の過去から続く無限個の多元宇宙の連続開闢現象過程上の「点」に過ぎず、過去の行き止まりは存在しない。時間は1兆x10^1兆^1兆^1^兆1^兆,,,,,年前の過去から更にその過去へ延びており、負方向から正方向の時間の矢は₋∞から∞まで非有界な無限遠への拡張が許容され得る。∀y,x∈✕(xRy∧yRx⇒x=y)、x=y⇔|∞|また時間の矢はいわゆる空間次元の数に含まれない。多元宇宙の個数は10の1京乗スケールよりも多く、とり得る次元の数は確率的に定義することが出来ない。水に赤いインクを垂らしたとき、徐々に薄いピンク色になる。エントロピーは増大する。しかしすべての水分子とすべてのインク分子が自然に元の位置に戻る確率は限りなくゼロに近いがゼロではない。18グラムの水は6x10の23乗個の水分子からなる。仮にすべての水分子を識別できたとする。其々の水分子がインクを垂らした瞬間と全く同じ元の位置に戻る確率はゼロにはならない。時間の矢は限りなく延長可能であって、確率ゼロというのは必然的に否定される。数論的に表現可能な宇宙の広がりは物理学的にも存在し得る。