筋肉の傷に「核」が集まってくる新現象を発見! 
筋肉の傷に「核」が集まってくる新現象を発見!  / Credit:William Roman et al . 2021 . Science . Muscle repair after physiological damage relies on nuclear migration for cellular reconstruction . ナゾロジー編
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筋肉の損傷時に「細胞の核が傷に集まっていた」ことが確認される (2/4)

2021.10.20 Wednesday

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核がやってくるとmRNAが爆発的に増加する

核がやってくるとmRNAが爆発的に増加する
核がやってくるとmRNAが爆発的に増加する / Credit:William Roman et al . 2021 . Science . Muscle repair after physiological damage relies on nuclear migration for cellular reconstruction . ナゾロジー編

集まってきた核たちは修復現場で何をしているのか?

謎を解明するため研究者たちはマウスの筋肉細胞を培養し、レーザーで傷をつけて、何が起こるのかを観察しました。

すると培養された筋肉細胞では、損傷から5時間以内に核が集結し、損傷部分においてタンパク質生産に必須なmRNAの量が爆発的に増加し、タンパク質の生産速度も大幅に増加していることも示されました。

そして培養細胞にできた傷は、24時間後にには修復プロセスが「ほぼ完了」していることが判明します。

この結果は、筋損傷部位に核が直接出向くことで、タンパク質の現地生産を加速させていることを示します。

似たような仕組みは、生きているマウスや人間の体内でも起きていると考えられます。

そうなると疑問になるのが、核がいったいどんな仕組みで「移動」を行ったかです。

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