水がない環境でも生命が生存できる可能性
南極は低温のために周囲はほぼ永久に凍結していて、土壌に含まれる水分は乾燥した冷たい空気が奪っていってしまうため、非常に乾燥しています。
そんな冷たく乾燥した砂漠では、微生物たちは細胞を維持することができません。
しかし、彼らは水素から水を生成するバクテリアがいることによって、何百万年もの間、この環境で存在し続けることができたのです。
チームの計算によると、この水素を使った化学合成で水が生産される速度は、わずか2週間で南極のすべての微生物たちを潤すのに十分だったとのこと。
つまり、この水素を動力とするバクテリアは、エネルギーと有機炭素、水分補給という1石3鳥の活躍をしていたのです。
水素は宇宙においてはもっともありふれた元素です。
たとえ南極のような極地であっても、宇宙ではここより快適な環境を用意することは困難でしょうが、これは地球外でも微生物は水素を消費して安定した暮らしを実現できる可能性を示しています。
今回の事例は、バクテリアが文字通り霞を食べて生活し、さらに水まで得ている証拠です。
宇宙で生命の痕跡を追う場合は、水の有無が重要な要因と考えられていますが、実際は水素だけで十分な可能性もあるようです。
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