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極寒の南極で「空気中の水素をエサにして生きるバクテリア」を発見 (2/3)

2021.11.16 Tuesday

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霞を食べて生きる微生物たち

水素は空気中に極わずかしか含まれないが、微生物たちに無尽蔵のエネルギー源を供給していた
水素は空気中に極わずかしか含まれないが、微生物たちに無尽蔵のエネルギー源を供給していた / Creditcanva

化学合成では、二酸化炭素を有機物に変換するために、光ではなく素やメタン、一酸化炭素などの無機化合物を使用します。

調査された南極の土壌細の約1%はメタンを利用しており、約30%が一酸化炭素を利用することができました。

しかし、もっとも注目すべきは、南極の土壌細菌の90%が空気から水素を取り出して利用している可能性があったことです。

空気中に含まれる元素の多くは、窒素、酸素、二酸化炭素ですが、微量ながらエネルギー源となる水素やメタン、一酸化炭素も含まれています。

これは本当にわずかな低濃度ですが、空気は地球上で非常に豊富なため、微生物にとっては事実上無制限にエネルギー源が供給されている状況なのです。

バクテリアは、こうした空気中の水素などを、非常に遅い燃焼プロセスによって酵素と組み合わせ、エネルギーを獲得していました

チームによる実験では、バクテリアは-20℃の環境でも、大気中の水素を消費して、生きるために十分な量のエネルギーを生成できることが示されました。

さらにこの化学合成は、微生物のコミュニティ全体を維持するために十分な有機炭素を提供している可能性がありました。

つまり他のバクテリアは、水素を動力源とする一部のバクテリアの生成し細胞から滲み出した有機炭素を食べることで、生きながらえていたのです。

そして、水素をエネルギー源にすることには、もう1つのメリットがありました。

それは、副産物として水が生成されることです。

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