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history archeology

【史上最大の閉鎖実験】人工地球に閉じ込められると人間はどうなるのか?

2025.01.31 06:30:47 Friday

もし人類が火星に移住しても、環境のあまりの違いから、そのまま地上に暮らすことはできません。

そこで地球の環境を模した巨大ドームを建設するシナリオが想定されています。

では、地球そっくりな巨大ドームが実現したとして、人類はその閉鎖された生態系の中で生きられるのでしょうか?

これは単なるSF的な妄想話ではありません。

人類は過去にこの疑問を検証する前代未聞の実験を行っています。

それが史上最大の人工閉鎖生態系実験「バイオスフィア2」です。

ここでは完全に閉鎖されたミニアースの中に8人の男女が収容され、2年間にわたるサバイバルが続けられました。

果たして、彼らはどんな結末を迎えたのでしょうか?

 

Eight go mad in Arizona: how a lockdown experiment went horribly wrong https://www.theguardian.com/film/2020/jul/13/spaceship-earth-arizona-biosphere-2-lockdown

”小さな地球”を創造した「バイオスフィア2」

前例のない一大プロジェクト「バイオスフィア2(Biosphere2)」は1984年に、アメリカの生態学者ジョン・P・アレンと実業家の富豪エド・バスによって始まります。

アレンは以前から、核戦争が起きて地上に住めなくなったときの避難所や、他の惑星に移り住んだときの居住施設として、バイオスフィアのアイデアを構想していました。

バイオスフィアとは「生物圏」を意味する言葉であり、アレンは私たちが現に暮らしている地球生態系を「バイオスフィア1」と捉えます。

そして第二の地球生態系を創造するという意味合いで、巨大施設「バイオスフィア2」を米アリゾナ州に建設しました。

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現在の「バイオスフィア2」の外観/ Credit: en.wikipedia

施設の建設は1987年から1991年にかけて行われ、総面積は1万2700平方メートル以上、最高部の高さは28メートルに達します。

バイオスフィア2は”小さな地球”を再現した世界最大の人工閉鎖生態系です。

施設内は主に7つのエリアに分けられており、「熱帯雨林」「珊瑚礁のある海」「マングローブ湿地」「サバンナ草原」「砂漠」の5つの自然区と、農業および「居住空間」という2つの人為的エリアが設けられました。

バイオスフィア2の地下基盤はコンクリートで作られており、各エリアの天候をコントロールするための大規模インフラが装備されています。

飲み水を得るための水循環システムや冷暖房、電力供給源も完備し、施設の外観をガラス製のパネルにすることで太陽光が十分に入るようにしました。

ここに延べ3800種の動植物が持ち込まれ、見事に地球そっくりの生態系を創り出しています。

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キッチン/ Credit: ja.wikipedia

ミニアースの創造が終われば、いよいよ本題です。

バイオスフィア2の真の目的である「地球環境を模した閉鎖空間で人間は生きられるのか?」を実験することになりました。

この前代未聞の実験に選ばれたのは男女4名ずつ、合計8名のアメリカ人たちです。

彼らの職業は科学者や医師、エンジニアであり、食糧生産や機械のメンテナンスまで全て自力で行うよう指示されました。

そして彼らは”バイオスフィアに生きる人類”として「バイオスフィリアン(biospherians)」と名付けられています。

こうして8名のクルーによるサバイバル生活は1991年9月26日に開始されました。

さて、ミニアースでの生活はどうなったのでしょうか?

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