100年以上前に発見された化石
当時釣りをしていたT・プレンティス氏が、カナダ西部のエルク川で偶然に奇妙な骨のかけらを見つけました。
その後、地元の炭鉱会社の手によって収集・展示され、最終的にカナダ地質調査所の古生物学者C.M.スターンバーグによって回収されています。
こちらは発見当時の写真。
向かって右側がT.プレンティス氏で、左側は炭鉱会社のゼネラル・マネージャーであるW.R.ウィルソン氏です。

しかしその後長らく、この標本は学術的な分析から外れたまま忘れられていました。
再び注目されたのは1990年代になってからです。
地元住民で古生物に詳しいR.J.モリス氏が、かつての新聞写真を手がかりに発掘現場を再発見したのです。
そして今回、国際研究チームがこの標本「CMNFV 40398」を再調査し、保存状態はやや悪いながらも、頭骨や脊椎、肩帯などに他のどの魚竜とも異なる特徴があることを確認しました。
その結果、この標本は既知のどの属にも当てはまらず、全く新しい魚竜として100年以上の時を経て科学的に記載されたのです。