なぜ歯のエナメル質再生は難しかったのか?

「虫歯で失った歯が元に戻ったらいいのに」──とは誰もが思うことでしょう。
虫歯治療のために歯を削られたり抜かれたりするのは誰にとってもつらいものです。
しかし、それは歯の表面を守るエナメル質が一度失われると二度と元には戻らないからに他なりません。
歯のエナメル質はまさに歯を覆う鎧(よろい)のように硬く頑丈な組織ですが、血管も細胞も含まないため骨のように自力で再生することができないのです。
このエナメル質が損なわれると様々な問題が生じます。
例えばエナメル質が酸で溶け出すと内部の象牙質が露出し、冷たい物がしみる知覚過敏の原因になります。
またエナメル質が薄くなると虫歯が進行しやすくなり、放置すると歯に穴が空いてしまいます。
実際、エナメル質の劣化や虫歯による歯の問題は世界人口の約半数が抱える非常に身近な課題で、一度進行すれば最終的には歯の喪失や感染症リスクにもつながりかねません。
一方で、虫歯は口の中の細菌が食べ物に含まれる糖分を分解して酸を出し、その酸がエナメル質を溶かすことで始まります。
つまり、虫歯のスタート地点は常にエナメル質が酸で溶けて崩壊することです。
もし常にエナメル質を速やかに再生できるなら、酸でエナメル質が溶けるよりも早く、あるいは同じ速度で修復が起きることになり、歯に穴が開く前にその穴が埋まるわけで理論上、虫歯はほぼ防ぐことが可能になるはずです。
ところが先にも述べたようにエナメル質は自然には再生しないため、「削って詰める」以外に有効な治療法がなく、フッ素塗布など現在の対策も表面を一時的に補強する応急的な方法にとどまっています。
そのためエナメル質を人工的によみがえらせることは、科学者たちにとって長年の夢でした。
ただその夢の実現には大きな困難がありました。
では、成長期にはどのようにエナメル質が作られていたのでしょうか?
ポイントはエナメル質を並べるための「足場」にあります。
成長期に新たな歯が作られるとき、エナメル質形成タンパク質(アメロゲニン)が足場になり、そこにカルシウムやリン酸が引き寄せられてエナメル質の結晶がびっしりと密集した硬い層が出来上がります。この足場があるおかげで、エナメル質の結晶はきれいに一方向に並び、硬くて丈夫な構造になるのです。
しかし成長期が終わるとアメロゲニンは酵素によって段階的に分解され、足場がなくなるためエナメル質は損傷しても新たな結晶を形成できません。つまり「陶器の職人」がいなくなった状態です。
そこで研究者たちは発想を逆転させました。「それなら人工的にエナメル質の足場を作ってやればいい!」──失われた職人の代わりに、新たなタンパク質の足場を歯に供給すれば、もう一度エナメル質の結晶を成長させられるかもしれないと考えたのです。
本当に足場を用意するだけでエナメル質の再生はできるのでしょうか?

























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