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AIで製造業の熟練度を見える化。イメージ。 / Credit:Canva
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AIが「職業の熟練度」を評価、製造業で活躍か【静岡大学】

2026.01.27 11:30:22 Tuesday

RPGでは、主人公のステータス画面に「職業の熟練度」が表示され、戦士や魔法使いといった職業ごとに、どれだけその道を極めてきたかが示されます。

「敵と戦い、クエストをこなすたびに熟練度が上がり、自分の成長が目に見えて分かる」

この仕組みに夢中になった人も多いでしょう。

もし現実の仕事でも、自分の「職業の熟練度」が同じように見える形で示されたらどうなるでしょうか。

どこが未熟で、どこが上達したのかが分かれば、成長の実感はこれまでとは大きく変わるはずです。

こうした発想を取り入れた新たな取り組みを、静岡大学とヤマハ発動機の研究チームが発表しました。

彼らは、AIを用いて組立作業の熟練度を可視化し、新人作業者の育成を支援する新しい人材育成手法を提案しています。

この研究成果は、2025年12月24日付の『Computers & Industrial Engineering』 に掲載されています。

AIで熟練度を「見える化」し、製造現場の人材育成を革新 ~静岡大学とヤマハ発動機による産学連携研究が国際学会誌に採択~ https://www.shizuoka.ac.jp/news/detail.html?CN=11593
Cross-silo human training in operational assembly: Integrating machine feedback for enhanced efficiency https://doi.org/10.1016/j.cie.2025.111774

AIによる「熟練度の見える化」

製造業の現場、特に多品種少量生産の組立工程では、人の手による作業が今も欠かせません。

しかし近年、多くの現場で熟練作業者の不足が問題となっています。

新人作業者は、作業マニュアルを読んだり、熟練者の動きを見たりしながら仕事を覚えていきます。

ただし、作業がうまくいかなかった場合に「どこが悪かったのか」を自分で正確に把握するのは簡単ではありません。

工程を一つ抜かしてしまったのか、順番を間違えたのか、あるいは特定の工程に時間をかけすぎたのか。

その判断は、多くの場合ベテランの経験に頼ってきました。

この研究が着目したのは、熟練度を感覚的な評価として扱うのではなく、作業プロセスのズレとして捉え、本人が理解し修正できる形で示すという考え方です。

熟練者の「標準作業」を基準に、新人の作業との違いを具体的に示すことができれば、熟練度は曖昧な印象ではなく、改善可能な課題として見えるようになります。

そこで研究チームが開発したのが、FIELDS(Feedback Integrated Expert Level Description System)と呼ばれる作業訓練システムです。(画像はこちら。※プレスリリース

作業者視点の映像データから作業行動を認識するAIモデルを組み込み、工程抜けや工程順序の乱れ、作業時間超過といった点をフィードバックとして提示します。

現場では、FIELDSが作業者の帽子に装着したカメラで、作業者本人の視点から映像を記録。

この映像を解析し、「今どの工程を行っているか」を工程単位で認識します。

そして工程抜けの数や手順のズレ、作業時間といった複数の指標を組み合わせて熟練度を評価していきます。

システムの中心にあるのは、、工程ごとの違いとして可視化し、次にどこを直せばよいかを本人に気づかせる仕組みです。

では、FIELDSの実際の効果性はどうなのでしょうか。実験で確かめられました。

次ページAIのサポートにより製造現場での「新人教育」が捗る

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