AIが探し出した「奇妙な体」
今回の研究の出発点は、「ロボットの体を人間が最初から決めない」という発想です。
これまでの脚型ロボットは、二足や四足のような、私たちになじみのある形に集まりがちでした。
そこで研究チームは、設計そのものをAIに手伝わせました。
ただし、AIがゼロから機械を発明したわけではありません。
研究チームが用意したのは、「モジュール」と呼ばれる基本部品です。
このモジュールは、棒状のリンクと中央の球体からなるシンプルな構造ですが、内部にはモーター、バッテリー、制御回路、センサーが収められています。
そして、この1つの部品だけでも、転がる、向きを変える、ジャンプするといった動作ができます。
つまり、モジュール1個がそれ自体で小さなロボットなのです。
AIは、このモジュールをどうつなぐかを大量に試しました。
5個までのモジュールを組み合わせる場合、その候補は数千億通りに達します。
もちろん、それを人間が1つずつ試すことはできません。
そこでAIは、さまざまな接続パターンを仮想空間の中で試し、「どれだけうまく移動できるか」「どれだけ安定して動けるか」などを基準に、有望な設計を絞り込んでいきました。
性能の高い設計が残り、そうでないものは捨てられ、さらに改良された新たな候補が生まれていきます。
こうしてAIは、人間が最初からは思いつきにくい、奇妙で独特な構成を見つけ出しました。
実際に選ばれたロボットの中には、アザラシ類を思わせる独特の歩き方をするものや、トカゲのように体をくねらせて進むものがありました。
さらに別の学習によって、ジャンプや空中での回転までこなせるようになります。
見た目だけを見れば少し不格好で、どこか怪物のようにも見えます。
ですが、その形は飾りではなく、「どう動けば効率がよいか」という基準から選ばれた結果なのです。
しかも、この研究の面白いところは、コンピューターの中で見つけた設計が現実でも動いた点にあります。
研究チームは、シミュレーションの段階で摩擦や重さなどの条件を少しずつ変えながら学習させることで、現実の不確実な環境にも対応しやすくしていました。
その結果、ロボットは砂や草、砂利や泥などの不整地でも動くことができました。
ですが、この研究の本当の驚きは、奇妙な形のロボットができたことだけではありません。
もっと重要なのは、壊れても終わらないことでした。





























![よーく聞いてね!3つのヒントで学ぶ!どうぶつカード ([バラエティ])](https://m.media-amazon.com/images/I/51zT3OcliFL._SL500_.jpg)



















