画像
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
paleontology

【世界初】3400万年前の「エンペラーバタフライ」の貴重な化石を発見

2026.04.09 18:00:16 Thursday

ひらひらと優雅に宙を舞うチョウは、その美しさとは裏腹に「化石として残りにくい生き物」です。

薄く繊細な翅は分解されやすく、進化の歴史をたどる手がかりは長らく限られてきました。

そんな中、ドイツ・シュトゥットガルト自然史博物館らの国際研究チームが、約3400万〜2800万年前に生きていたチョウの極めて保存状態の良い化石を報告しました。

しかもこの標本は、タテハチョウ科のコムラサキ亜科、通称”エンペラーバタフライ”に明確に属すると特定できる、世界で初めての化石だったのです。

研究の詳細は2026年の古生物学誌『Acta Palaeontologica Polonica』に掲載されています。

This Wonderfully Well-Preserved Fossil From 34 Million Years Ago Shows The Earliest Emperor Butterfly https://www.iflscience.com/this-wonderfully-well-preserved-fossil-from-34-million-years-ago-shows-the-earliest-emperor-butterfly-83066 Europe’s hidden majesty: researchers present first fossilised “emperor” butterfly https://www.naturkundemuseum-bw.de/en/press/detailansicht/europas-verborgene-pracht-forschende-praesentieren-erstmals-fossilen-schillerfalter
Exceptionally preserved Oligocene emperor butterfly from France provides a new calibration point for Apaturinae evolution https://doi.org/10.4202/app.01332.2026

チョウの進化史を変える「奇跡的な保存状態」

今回発見された化石は、フランス南部セレストの前期漸新世(約3400万年前〜約2800万年前)の地層から見つかったものです。

1979年に採集されながら長く注目されていませんでしたが、近年の再解析によってその価値が一気に明らかになりました。

この標本の最大の特徴は、その保存状態の良さにあります。

右の翅の大部分と左の翅の広い範囲が残っており、翅脈(しみゃく、翅の網の目構造)眼状紋(がんじょうもん、目のような模様)まではっきり確認できます。

実際の化石の画像がこちら

さらに、頭部や胸部は両側から観察でき、腹部も大部分が保存されていました。

こうした情報量の多さは極めて異例であり、チョウの系統の中でどこに位置するのかを精密に判断することが可能になりました。

その結果、この化石は新属・新種「アパトゥロイデス・モニカエ(Apaturoides monikae)」と命名されました。

そして重要なのは、この種がタテハチョウ科の中でも「コムラサキ亜科(Apaturinae)」に属することが明確に示された点です。

コムラサキ亜科は、英語で通称”エンペラーバタフライ”と呼ばれます。

これまで、このグループに確実に分類できる化石は存在していませんでした。

つまり今回の発見は、チョウの進化史における「空白のピース」を初めて埋めたことになります。

次ページ「進化の時計」を合わせる基準点になる発見

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

ゲーム

1位

2位

3位

4位

5位

古生物のニュースpaleontology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!