「暗い性格特性」は脳構造にも表れるのか?
これまでダークトライアドの研究では、質問紙によって性格傾向を測る方法が多く用いられてきました。
つまり、簡単に言うならアンケートのようなものを用いてどんな回答をするかを見て、性格傾向を測っていたのです。
ただ、この方法で分かるのは、主に「回答パターンとしての共通点と違い」です。
3つの性格傾向が脳構造の面でも似た特徴を持つのか、それともそれぞれ異なる関連を示すのかについては、まだ十分なデータがありませんでした。
そこで研究チームは、MRIで脳を調べることで、ダークトライアドの3つの性格傾向が、脳構造の面で共通点があるのかを調査しました。
この研究では、まず264人に短縮版ダークトライアド尺度(Short Dark Triad:SD3)という質問紙に回答してもらいました。
その後、ダークトライアド傾向が高い男性24人と、低い男性27人を選び、MRI(magnetic resonance imaging)で脳を撮影しました。
MRIとは、磁場を使って体の内部を画像化する装置です。
なお今回の研究対象は、精神疾患や人格障害の診断に該当しない健康な男性です。そのため、これは犯罪者や人格障害患者を調べた研究ではありません。
研究チームが調べたのは、脳の灰白質(gray matter)の体積です。灰白質とは、神経細胞の本体が多く集まる部分で、脳の情報処理と関わります。
解析の結果、ダークトライアド傾向が高い男性では、低い男性と比べて、右の中心前回から背外側前頭領域に広がる部分と、小脳の一部で、灰白質の体積が小さいことが報告されました。
中心前回は主に体の動きに関わる領域ですが、他人の動きを見て理解することにも関係すると考えられています。
背外側前頭前野(dorsolateral prefrontal cortex)は、考えを整理したり、感情を調整しながら判断したりする働きと関わる領域です。
また小脳は運動だけでなく、近年では認知や感情の調整との関係も研究されています。
ダークトライアド傾向が高い人が、低い人と比べ共通してこれらの領域で灰白質の体積が小さかったという発見は、彼らには、脳構造の面でも社会的な判断や感情処理に共通点が見られることを示しています。





























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