本業の地力をあげるには他分野に手を出すといいかもしれない
今回の研究により、言語の構文を理解する能力が道具を使うスキルと同じ大脳基底核にある神経回路を発生源にしていることが示されました。
言語能力も道具を使う能力も、異なる意味をもつ単語や異なる物体を適切な順序で組み合わせるという本質が同じであり、脳は両方の能力を単一の神経回路の使い回して実行していたのです。
つまり人類を動物とへだてる真の能力は、言語や道具といった具体的な項目ではなく「異なる要素を順序良く組み合わせるという抽象的な能力」であると言えるでしょう。
また他方の訓練でもう一方の上達が起こるという仕組みが、他の幅広い分野にも適応されるならば、さまざまな分野のスキルを身に着けるという一見して寄り道に思える方法は、実は地力を底上げする最短ルートなのかもしれません。
もし現在、打ち込んでいることに行き詰まりやスランプを感じているなら、他分野に(もちろん高度で複雑なもの)に手を伸ばしてみると、状況が打開されるかもしれません。