イッカクの生態
イッカクは哺乳類で、イルカほどの大きさではありますがクジラの仲間、イッカク科イッカク属に分類される唯一の動物です。
同じイッカク科の生き物ではイッカク科シロイルカ属のシロイルカがいます。確かに、イッカクとシロイルカは体の形がよく似ていますよね。
生息地は主に北極海で、カナダ北西部のランカスター海峡には世界のイッカクの3/4が分布しているとも言われています。
イッカクは生息地が非常に限られていて、観察も難しく、その一角獣のような幻想的な見た目も手伝って19世紀までは伝説の生き物のように扱われてきました。近年その生態が明らかになってきたものの、まだまだ謎が多い生き物です。
イッカクの特徴的な長い角ですが、実は牙が発達したもので、上唇を貫いて額から生えています。
牙が角のように長くなるのはオスだけの特徴でメスにはほとんどありません。オスが複数のメスを引き連れて群れを為す、ハーレムのような形式で暮らしていて、長い角はメスを勝ち取るために使用すると言われています。
長い角以外はおっとりした印象の見た目ですが、実は非常に俊敏で、タラなどを主食にしています。哺乳類でありながら潜水も得意で、同じ大きさのイルカは5~10分ほどしか潜れない中、イッカクは20~25分ほど水の中で過ごすことができるそうです。