死ぬまで「幼い姿」のまま
野生のアホロートルは、メキシコの首都メキシコシティ内にあるソチミルコ湖と、その周辺にしか分布していません。
絶滅危惧種にも指定されており、種の保護管理が厳しく進められています。
首の左右に大きな外エラが3本ずつ生えているのが最大の特徴です。
寿命がかなり長く、平均して10年、長ければ15年、最長で25年生きられます。
産卵によって繁殖し、11月から翌年の1月の間に、一度で200〜1000個の卵を水草に産みつけます。
野生個体では、体色が黒や茶褐色、紫色のものがほとんどです。
ただ、ペットとして人気なのは、体が真っ白で、目の玉が黒い個体で、ウーパールーパーといえば、普通こちらを想像しますね。
これはリューシスティック(白変種)と呼ばれ、色素の減少により体が白色化した個体です。
(ちなみに、アルビノとは全く別物で、リューシスティックは色素の生産能力は製造であるのに対し、アルビノは遺伝的欠陥でメラニンが元から生成できません)
成熟すると全長10センチから大きくて25センチになりますが、一方で、アホロートルは幼形成熟(ネオテニー)であり、原則として、大人になっても幼いままの姿を保ち続けます。
それでも性成熟はしているので、繁殖は可能です。彼らは変態しないので、死ぬまで水中から出ることはありません。
ところが、あることがきっかけで、一部のアホロートルは、変態の能力を手に入れてしまったのです。
それを次に見ていきましょう。