免疫の力を借用して老化を予防する
今回の研究によって、老化細胞を除去することで効果を発揮する「抗老化ワクチン」が開発されました。
老化した細胞の表面にだけ存在するタンパク質「GPNMB」を模倣した構造をワクチンとして体内に注射することで、免疫システムに「GPNMBは異物・敵」「GPNMBを表面に持つ老化細胞も異物・敵」と教育を行い、免疫の力を借用して老化を予防することが可能になったのです。
また糖尿病や動脈硬化など加齢にともなう病気の根底にも老化細胞が潜んでいるため、抗老化ワクチンの投与により老化細胞を除去することで、これらの症状を改善することにもつながりました。
さらに研究では、抗老化ワクチンには目立った副作用もないことも示されています。
研究者たちは、GPNMB以外の老化抗原となるタンパク質も存在していると考えており、将来的には、さまざまな老化を改善する抗老化医療が可能になると考えています。
もしかしたら未来の病院では、インフルエンザのワクチンを打つついでに、抗老化ワクチンの接種を受けられるかもしれませんね。