14世紀半ばから19世紀半ばにかけて地球は小氷期だった
14世紀半ばから19世紀半ばにかけて地球は小氷期だった / Credit:canva
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一時的な温暖化が13世紀末の「小氷期」に関わっていた (2/3)

2021.12.25 Saturday

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温暖化が急激な寒冷化を招いた

彼らは詳細な海洋記録を用いて、このときの海水温の動向を調査しました。

すると、1300年代後半に、温かい海水が異常なほど北上して移動していたことが判明し、それは1380年頃にピークを迎えていました

その結果、グリーンランドと北海南側の海域は、通常の時期よりずっと暖かくなっていたのです。

ラポワント氏は「これまで誰も、このことを認識していませんでした」と指摘します。

通常、熱帯から北極へは「大西洋子午面循環(AMOC)」と呼ばれる温かい水の流れがあり、これが地球の海を循環してコンペアベルトのようにつないでいます。

大西洋子午面循環(AMOC)
大西洋子午面循環(AMOC) / Credit:en.Wikipedia

これは、熱帯から流れてきた温かい水が、北欧の沿岸を北上して、北極海域の冷たい水に出会い、熱を失って密度を増すことで海底に沈み、今度は深層水となって南下することで世界を巡る循環を作り出しています。

しかし、1300年代後半になると、この大西洋子午面循環が大幅に強まり、通常よりもはるかに多くの温かい水を北上させるようになりました

その結果、北極のが急速に失われ、1300年代後半から1400年代にかけて数十年間で、大量の氷が北大西洋に流出したのです。

これは北大西洋の海水を冷却させるだけでなく、塩分も希釈してしまったため、最終的に大西洋子午面循環は崩壊しました

そして、この大西洋子午面循環の崩壊が、その後の寒冷化の引き金になったというのです。

現代でも、1960年代から1980年代に掛けてグリーンランド上空に高い気圧が維持されたことで大西洋子午面循環が強まったという報告があります。

これは小氷期の直前に起きた大気状況とも関連している可能性があると、研究者は考えました。

では、1380年代にグリーンランド周辺の高気圧を引き起こした原因はなんだったのでしょう?

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