14世紀半ばから19世紀半ばにかけて地球は小氷期だった
14世紀半ばから19世紀半ばにかけて地球は小氷期だった / Credit:canva
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一時的な温暖化が13世紀末の「小氷期」に関わっていた (3/3)

2021.12.25 Saturday

前ページ温暖化が急激な寒冷化を招いた

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太陽活動と地球の空気が綺麗すぎた問題

ラポワント氏はその原因を樹木から発見しました。

木の年輪に残された放射性炭素同位体測定から、1300年代後半に異常に高い太陽活動の記録が見つかったのです。

1300年代末に太陽活動は活発化していた
1300年代末に太陽活動は活発化していた / Credit:canva

この現象は、グリーンランド上空に高い高気圧をもたらす傾向があります。

また、この年代は地球上で火山噴火が少なく空気中に灰がすくなくなったため、大気がきれいだったということがわかっています。

これは太陽エネルギーの変化に地球がより敏感に反応しやすい状態だったと考えられます。

そのため、太陽活動の活発化に伴い、北大西洋の大気循環も大きな影響を受けたのです。

こうした温暖な気候が、後に地球全体の寒冷化につながるとなると、気になるのは現代の温暖化が同様の現象を引き起こる可能性があるかということです。

研究者は、その可能性はかなり少ないのではないかと考えています。

その理由についてラポワント氏は、すでに温暖化の影響で、北極海の海がかなり少なくなっているため、1400年代始めにあったような大規模な海氷の移動に伴う現象がおきづらい状態になっているためだと指摘します。

ただ、アラスカ北部では、過去20年間で融氷によって、海に流れ込む淡水が40%も増加しているため、これが北大西洋の極域に流れ込むと、海洋循環に強い影響を与える可能性があります。

またグリーンランド上空の高気圧も、過去十年間で頻発し、氷の融解に関連づいています。

今回の研究結果が現代の気候モデルに与える影響は、まだ定かではありません。

ただ温暖化が海流を変化させ、結果的に温暖化だったのに突然小氷期が起きるというような、飛んでもない変化を引き起こす可能性があるようです。

温暖化は単純に気温があがるというだけの変化に留まらない可能性が高いのです。

今後地球の気候がどのように変動するか、注意していく必要があるでしょう。

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