自分で作った渦に自分を吸わせる
今回の研究によって、マイクロメートルサイズの昆虫の飛行メカニズムが明らかになりました。
羽ばたき運動による飛行は大きすぎても小さすぎても不可能になります。
鳥より巨大な飛行機サイズでは羽ばたくよりも固定翼に推進器(エンジン)をつけるほうが効率的であり、羽毛昆虫の小ささでは空気の粘性の影響が強くなって、羽ばたきが飛行につながらなくなってしまいます。
しかし羽毛昆虫の膜のない羽毛状の翅は渦生成に特化することで、自分が作った渦に自分を吸い上げさせ、マイクロメートルの世界での羽ばたき飛行を可能にしていたのです。
研究者たちは他の極小昆虫にも同様の飛行システムがあると考えており、さらなる研究によって昆虫が小型化した進化の謎に迫れると考えているようです。
また羽毛昆虫の飛行メカニズムを応用すれば将来的には、蚊の数分の1以下の極小飛行ロボを作れるようになるでしょう。
科学がどんなに発達しても、自然から学ぶことは絶えないのかもしれませんね。