神聖隊の誕生:「愛の力」で戦闘力アップ!
神聖隊「ヒエロス・ロコス」は、紀元前378年に、古代ギリシアの都市国家テーバイにて、将軍ゴルギダスにより結成された歩兵部隊です。
編成は、先に述べたように、男性の同性愛カップル150組、計300人からなります。
ゴルギダスは、社会階級に関係なく、戦士としての腕や評判の高さを重視して、300人の精鋭を選抜しました。
同性愛者を戦士に選んだ理由はおもに2つです。
1つは、古代ギリシアにおけるテーバイが、男性の同性愛のもっとも盛んな都市だったことです。
テーバイの位置するボイオチア地方(ギリシア中部)は、少年愛で有名なヘラクレスが崇拝されていました。
記録によると、ヘラクレスは、自らの甥であるイオラウスを従者かつ愛人にして可愛がっていたという。
それゆえ、テーバイでの同性愛は珍しいことでもなんでもなく、ごく普通に存在していました。
またヘラクレスにならってか、テーバイには年の差カップルも非常に多かったようです。
もう1つは、カップルで編成することで、戦闘への士気が上がるためです。
各カップルはそれぞれ戦闘スキルが高い上に、愛する人を守ろうと必死に戦います。
さらに、自分の惨めな姿を戦場で見せないため、気合も十分です。
ゴルギダスはまさに、「愛の力」による戦闘力のアップを想定したのでした。
また、彼らの生活は国費でまかなわれ、平時はもっぱら訓練に励んでいたそうです。
こうして、ギリシア有数の精鋭部隊は誕生しました。
では、実際に彼らはどんな活躍をしたのでしょうか?