視線と手首の動きで直感的に操作できる
視線には、その人の関心や望みが瞬時にあらわれます。
例えば、「ニュース記事の写真を拡大して見たい」と感じる人は、必ずその写真に視線を向けています。
「新しいメールが届きました」と通知が来るなら、そこに視線を合わせてから、メールを開くか無視するか判断することでしょう。
つまり視線は、私たちの要求を予測するのに最適な生体反応なのです。
そこで研究チームは、視線とスマホを持つ手首の振りだけで操作できる新しいシステムを開発しました。
例えば、ニュース記事の次ページに進みたい場合、ユーザーは「次のページ」という表示に視線を合わせてスマホを傾けるだけです。
わざわざ画面をタップする必要はありません。
表示された画像を拡大したい場合も、視線を合わせてスマホを手前に軽く引き寄せます。
通知が来た時も、視線を合わせてスマホを右か左に傾けるだけで、その通知に応じるか無視するかを選べます。
もちろん、「視線を合わせる」ことも操作の1つですが、ほとんどの場合、「こうしたい」と感じたときには既に視線を向けています。
そのためユーザーの使用感は「気になった時に手首をひねるだけ」になるでしょう。
この簡略化された操作が、これまでにない直感的なシステムを生み出しています。
視線と片手のわずかな動きで操作できるため、「コーヒー片手にスマホをガンガン操作する」なんてことも可能なのです。
利用されている「視線追跡システム」自体は、新しい技術ではありません。
しかし、人間の目の動きに後れを取らない高速処理を小型機器に実装できたという点は、大きな成果だと言えます。
また視線と片手操作の組み合わせも、画期的なアイデアだと言えますね。
将来のスマホは、これまで以上に使いやすく、直感的な操作が可能になっているでしょう。
「視線操作」スマホが販売されるのを期待して待ちたいものです。