単なる美人化アプリとは異なり「個性」を追加できる
現在、映像加工技術の進歩によって、写真だけでなくリアルタイムのネット配信でも、自分の顔を「別人レベル」にまで加工して、より魅力的な配信者として装うことが可能になっています。
ただ既存の美人化アプリで作れるのは、平均化の概念にもとづいているものに過ぎません。
「美男美女」の作成プログラムのほとんどでは、被写体の顔の各部の数値を、基準とするいくつかの美顔パターンに向けてに中和補正することで……つまり個性を消すことで美しさを出力します。
これは、周りの人間の平均化された顔を美しいと感じてしまう人間の本能を利用したものになっています。
しかし今回開発された技術を使えば信頼感や知性、力強さといった「平均化」や「中和」とは異なる「偏った」特性を選んで被写体に付与することが可能になります。
たとえば上の図のように、特性をどれだけ付加するかといった加減も操作することが可能になります。
これら偏った特性の付与は単なる「美男美女」加工よりも、個性の演出能力に秀でています。
「平均化」や「中和」を基本とする「美男美女」加工の行きつく先は「似た顔の量産」であることを考えると、個性の付与能力を持ったAI(ニューラルネット)は、完全上位互換となる可能性を秘めています。
しかし優れたテクノロジーには往々にして危険性が伴うと研究者たちは述べています。
特に政治においては危険度が跳ね上がります。