移植された肝臓片は急激な再生で元の大きさに戻った
今回の試験で移植の対象となったのは、肝硬変と肝がんを併発している62歳の男性です。
研究者たちが移植から6日後に肝臓片のサンプルを採取したところ、男性の胎内で肝臓片の再生が加速していることが判明します。
また6週間後に確かめたところ、著しく大きくなっており、移植された肝臓片は通常の大きさにまで回復していることが判明しました。
さらに研究者たちはその後1年にわたって男性の調査を続けましたが、男性はがんから回復しており、通常の生活を送れるまでに回復していました。
この結果は、移植に不適格とされていた肝臓片でも、体外で時間をかけて治療することで、優秀な移植成績を示せることを示します。
また追加の研究では、摘出された肝臓を最大で10日にわたり機能を維持したまま保存できることも示されました。
研究者たちは今後も装置の改良を続け、肝臓以外の臓器の体外治療も目指していくとのこと。
体の外に取り出した臓器に対して治療を行う場合、脳など他の臓器への副作用を抑えることが可能となるでしょう。
もしかしたら将来の臓器治療は、摘出した状態で行われるのが普通になっているかもしれませんね。