静電気の発生を予測するには?
通常、物質はプラスとマイナスの電荷をバランスよくもっています。
しかし物質同士が当たったり擦れたりすると、マイナスの電荷が片方に移動し、プラスの電荷とマイナスの電荷の状態に偏りが生じます。
私たちは、このバランスが崩れた状態のことを「静電気を帯びる」と呼んでいます。
人間はプラスに帯電しやすいため、体が他の物質に触れたり、擦り合ったりしているうちに、プラスの電荷を帯びてしまいます。
この状態で金属などの電気を通しやすい物質に手を近づくと、金属の中の電子(マイナスの電荷)が手に引き寄せられます。
そして手が触れた(極度に近づいた)瞬間、マイナスの電荷がプラスに帯電した手に一気に流れ込み(放電という)、人間はバチっという音ともに痛みを感じるのです。
もちろん、この現象は人間以外にも生じます。
人間であれば痛みを感じるだけですが、ドローンやロボットなどの精密機械では、静電気の発生により誤作動が生じることもあるのです。
そのため、静電気がいつ、どこで発生するのか把握する「静電気センサー」が必要とされてきました。
しかし従来の静電気センサーは、対象物の形状や環境によっては正確に測定できません。
そこでチームは、どんな状況でも正確に静電気を測定できる技術を開発することにしました。