ひきこもりの人々は血液検査で特別な結果が出ると判明
ひきこもりは6カ月以上、自宅にとどまり続ける状態とされており、現在国内には110万人以上のひきこもりの人々がいると推定されています。
しかし、ひきこもりについて社会は「甘え」や「恥」などの心理的な側面ばかりに目を向けており、医学的・生物学的な変化は十分に調べられていませんでした。
そこで今回、九州大学の研究者たちは、ひきこもり状態にある42人と健常者41人の血液を採取し、成分の比較を行うことにしました。
(※採血の対象となったひきこもり者と健常者はともに、日常的な薬の服用が行われていない人々が選ばれました)
結果、ひきこもり者の血液では男女ともに長鎖アシルカチニンが有意に高いことが判明します。
また特に男性のひきこもり者の血液ではアルギニン分解酵素とオルニチンの値が高く、アルギリンとビリルビンの値が低くなっていました。
また血液成分のパターンをひきこもりの重症度と共にAIに学習させたところ、AIは血液成分の情報のみで、採血した人間がひきこもりであるか、またひきこもりである場合の重症度を高い精度で予測できるようになりました。
この結果は、ひきこもりはうつ病や気分障害と同じく、医学的・生物学的な変化が背景に潜んでいることを示します。