脳には得られた情報を脚色する機能がある
なぜ脳では区別されていた本物と偽物が、実際に答えを下す際には有効でなかったのか?
研究者たちによれば、本物と偽物を区別する信号が、情報処理の過程で希釈され失われていた可能性がある、とのこと。
私たちの脳は得た情報を処理する過程で、別の情報が読み出されて統合したり、より高次の抽象的な観念や記憶との照合が行われます。
そのため本物と本物に近い偽物という区別は情報処理が進むにつれて曖昧になり、答える段階では失われていると考えられます。
研究者たちは今後、脳の持つ偽画像の検出メカニズムを解明することができれば、ディープフェイク技術によるセキュリティー危機を抑止できる可能性があると述べています。
人間の脳に存在する回路がわずかでもディープフェイクを識別する能力があるという事実は、現在のディープフェイク技術には普遍的な弱点がある可能性を示すからです。
人間の判断を誤らせるディープフェイクを打ち破る手段が、人間の無意識に潜んでいると考えるのは、なんだか少し不思議な気がしますね。