人類が発明した「奇妙なコンドーム」の数々
例えば、古代ローマではヤギやヒツジのような動物の腸および膀胱を使って、男性器を包んでいたことがわかっています。
リアルにウィンナーを作るときのように、半透明の薄い腸に自らの男性器を挿入していたのです。

また古代中国では、シルクペーパーに油を染み込ませてコンドームを作ったり、あるいは女性が性行為の前に水銀を一飲みすることで妊娠が防げるという誤った風習が広まっていました。
それから中世の日本では、カメの甲羅を整形して男性器の先端に装着し、避妊具にしていたという。
なんとも痛々しい…

その後、16世紀半ばに入ると、「避妊」と「感染症予防」の両方を目的とした、現代に近いコンドームが誕生します。
これは当時のヨーロッパで、梅毒という性感染症が流行したことがきっかけで、薬液に浸した鞘状リネンのコンドームが作られました。

そして19世紀初め、ゴム生産の確立により、コンドーム開発も今までとは比べ物にならないほど大きく飛躍します。
アメリカの発明家であるチャールズ・グッドイヤー(Charles Goodyear、1800〜1860)が、生ゴムに硫黄を混ぜて熱を加え、用途に合わせた弾力を発揮するゴムの加工法を確立。
この加工法をもとに、1850年には複数のゴム会社が新しいコンドームを大量生産し、一挙に世界に広まることとなりました。
まさかコンドームがツタンカーメンの時代から使われているとは思いもしなかったでしょうが、避妊具の発明にも、試行錯誤の長い歴史があるのです。
よく考えたら、原理を知らなくても子どもを作るという離れ業をやってのける本能というものは凄いですね。