美しい星雲たち
サザンリング星雲
これは「NGC 3132」、別名サザンリング星雲と呼ばれる、ほ座(帆座)南にある地球からは約2000万光年離れた星雲です。
これは死んで崩壊した星の作り出した惑星状星雲と呼ばれるガスと塵の集まりです。
中央で明るく輝く星が目立つため、これが星雲のコアであるように見えますが、実際にはこれは星雲を生み出した星との連星です。
サザンリング星雲を生み出したのは、この輝く星の光の筋の左下にかすかに見える小さな星なのだそうです。
これはもう死んだ星である白色矮星で、数千年の間に8層のガスを放出していたと考えられます。
複雑な層を作るこのギザギザな星雲は、近接した状態で重力的にロックされたこの連星の作用によってかき回され作り出されたようです。
星雲は中央の明るい星の放射する光を反射することで、赤外線画像ではこのような鮮やかな姿に写っています。
カリーナ星雲「宇宙の断崖」
これはカリーナ星雲と呼ばれる、地球から約7600光年離れた散開星団「NGC3324」内の巨大なガス(星形成領域)の端の部分で、「宇宙の断崖」とも呼ばれています。
散開星団というのは一緒に同じ分子雲から生まれた星が集まっているものです。
この崖のような形の星雲は、この領域の中心にある若くて熱い星の強い放射線と恒星風によって作られた空洞よって作られています。
山のような部分は7光年の高さがあり、崖の上に見える青いガスは強い紫外線によって星雲から流れ出る高温のイオン化ガスと高温の塵です。
ここまで鮮明な撮影は、ハッブル宇宙望遠鏡でもできなかったようです。
なお、りゅうこつ座カリーナ星雲(NGC 3372)の全景はこのようなものです。
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、今後もこれまで人類には見ることのできなかった深宇宙のさまざまな謎を明らかにしてくれる予定です。