そもそも破局噴火って「どれくらい」の規模なの?
破局噴火の定義
まず話を進めるにあたり、最初に破局噴火の定義を確かめておきたいと思います。
破局噴火と言われる巨大噴火は日本においては「火山爆発指数」が「レベル7」以上(噴出物の量が100立方キロメートル以上)の噴火を示すと言われています。
一方で、海外において破局噴火と同じような意味合いで使われている「スーパーボルケーノ(超巨大噴火)」は「火山爆発指数」が「レベル8」以上(噴出物の量が1000立方キロメートル以上)の噴火を示すと言われています。
(※火山爆発指数が1上がると噴火の規模は10倍になるとされます。また噴出物の量はあくまで目安であり、噴出物が500立方キロメートルあたりでもレベル8に分類されることが多くなっています)
ちなみに近年において最大である、1991年にフィリピンで起きたピナトゥボ山の噴火は、噴煙による太陽光の遮断により地球の平均気温を0.4度下げるほどでしたが、それでもこの噴火の火山爆発指数は「レベル6」(噴出物の量は10立方キロメートル以上)程度でした。
破局噴火が繰り返し起こる仕組み
破局噴火が通常の火山噴火と異なる最大の理由は「溜め込んでいるマグマ」の量にあります。
通常の火山噴火も溜まったマグマを吹き出しますが、破局噴火ではその規模がケタ違いなのです。
破局噴火では上の図のようにマグマが地表の下に溜め込み続けられ、何かのキッカケに一気に噴出します。
そして噴出は大規模に地表を吹き飛ばすため、後には巨大なカルデラが形成されることになります。
しかしより厄介なのが、破局噴火が起こる場所では常にマグマが地下から供給されるために「マグマの溜め込み」と「噴出」が繰り返し起こる点にあります。
たとえば、米国にあるイエローストーン国立公園の火山はおよそ60~70万年周期で破局噴火を繰り返す傾向にあることが知られています。
破局噴火によってマグマ溜りがリセットされたとしても、地下からマグマが供給され続ける限り、噴火は繰り返されます。
溜まったマグマを定期的に冷やしたり除去することができれば、原理的には、破局噴火を封じ込めることができるものの、残念ながら現在の人類の技術力では不可能です。
人類にできるのは、噴火の兆候を検知し、少しでも被害を抑えるため避難計画を立てることだけです。
しかし噴火の規模によっては、地球全土が被災地域になる可能性もあるようです。
では、過去に起きた人類を絶滅の危機に追い込んだ「レベル8」の破局噴火や、人類誕生前に起きた生物の大量絶滅を引き起こした「レベル判定不能」の異常噴火どんなものだったのでしょうか?