ここ数年、地球の自転は急に速まっている
周知のように、地球の1日の長さは自転のスピードで決まり、長期的な目で見ると、地球の自転は遅くなる傾向にありました。
これはつまり、1日の長さがわずかに長くなることを意味します。
しかし、ここ数年、地球の自転傾向は逆転し、急に自転スピードが速くなる方向へと転化しているのです。
これは体感でわかるような時間の変化ではありませんが、現在地球の1日は原子時計によって非常に精密に測定されており、その記録上では地球自転の変化が確認できるのです。
とくに2020年は、それまでの最短日記録を更新する日が、1年のうちに28日もありました。
中でも、2020年7月19日はマイナス1.47ミリ秒を記録し、観測史上最短となっています。
2021年の最短日は、前年に比べるとわずかに長くなっていたものの、地球の自転は引き続き速まっていました。
そして2022年の今、地球はさらなるスピードアップに転じ、ついに6月29日、観測史上最短を更新するマイナス1.59ミリ秒を記録したのです。
また、翌月の7月26日には、マイナス1.50ミリ秒を記録し、再び記録更新に迫りました。
こちらのグラフは、国際地球回転・基準系事業(IERS)が提供した、近年の1日の長さの変動を示したデータです。
これを見ると、地球の1日の長さは、年々短くなっていることがわかります。
では、なぜこのような現象が起こり始めているのでしょうか?