移植から2年たっても合併症は起こらない
今回の研究により、豚の皮膚を材料にした人工角膜が、人間の患者に安全に移植できることが示されました。
移植後の成績も極めて良好であり、被験者全員において視力が改善し、手術前は20人中14人が法的に失明したと判断される状態にあったものが、2年後には全員が失明状態から脱却に成功しました。
また移植が原因となる合併症も認められませんでした。
研究者たちは、豚の皮膚は非常に安価に確保できるため、人工角膜を大量生産することも可能になると述べています。
豚と移植技術を組み合わせる研究は角膜以外にもさまざまな臓器で試みられており、例えば以下の研究では脳死した人から取り出した人間の肺を豚の血管に接続することで、移植用臓器として使えるほどに回復させることに成功しています。
研究者たちは今後、人工角膜を個人にあわせてさらに適合性を高める方法を探していく、とのこと。
もしかしたら未来の世界では、豚が再生医療のスターになっているかもしれませんね。