「超音波画像診断」には病院にある専門機器が必要
超音波は体内の臓器に当たるといくらか変化し、跳ね返ってきます。
超音波画像診断では、この「跳ね返ってきた信号」を画像に変換することで、リアルタイムで体内の様子を見ることができます。
臓器の動き、血流なども詳しく観察でき、悪性腫瘍や動脈硬化など幅広い病気を発見するのに役立ちます。
放射線を使わないので被ばくの心配がなく、痛みもありません。
その安全性の高さから、胎児の様子を観察するのにも利用されてきました。
ところが、超音波画像診断には病院や診療所に設置されるような専用機器が必要です。
診断には、技術者が患者の皮膚に超音波を伝えるためのゼリーを塗った後、「超音波プローブ」と呼ばれる超音波送受信機器をゼリーに押し当てなければいけません。
検査時間は10~20分ほどで済むこともありますが、もっと長時間の検査が必要な場合もあります。
検査が長引けば長引くほど身動きできない患者は疲れてしまい、ゼリーが乾燥したり流れ落ちたりして中断される場合もあるようです。
そこで研究チームは、できるだけ患者の負担を減らせる、新しい超音波診断機器を開発することにしました。