既に卵巣がんでは治療許可が下りている
今回の研究により、サイトカイン(IL-2)を持続的に放出するビーズが、腫瘍の根絶という素晴らしい効果を発揮したことが示されました。
研究者たちはマウスを使った実験において、ここまで完全に中皮腫が排除された例をみたことがないと述べています。
また追加の研究により、中皮腫と戦うための免疫記憶が成立しており、再発時にも効果的に対処できる可能性が示されました。
同様の結果は他の種類のがんでも報告されており、マウスの卵巣がんを完全に死滅させ、進行性大腸がんに対しても1匹を除いた全てのマウスのがんを死滅させたことが示されています。
喜ばしいことに人間での臨床試験も順調であり、米国FDAからは卵巣がんの治療許可が下りていおり、続いて中皮腫や肺がんなどに対しても有望な試験結果が集まりつつあるようです。
さらにがん治療だけでなく、心臓発作による心臓の損傷を治療する手段としてビーズを使用する研究も進行中とのこと。
ビーズの穴にサイトカイン(IL-2)を生産する細胞を詰め込むという何気ないアイディアは今後、多くの人々の命を救うことになるでしょう。