他部門の最優秀も見逃せない傑作ぞろい!
また、若い世代の天文写真家を対象とする「ヤング・アストロノミー・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー(The Young Astronomy Photographer of the Year)部門」では、中国の14歳の少年2人による「The Neighbour」が最優秀を受賞しました。
これは、私たちが暮らす天の川銀河の”隣人(neighbour)”である「アンドロメダ銀河」を撮影した一枚です。
銀河の鮮やかな色彩を表現するとともに、それを取り巻く色とりどりの星が、息を呑むような光景を演出しています。
審査員の一人で、ハンガリー天体写真家協会のラースロー・フランシックス(László Francsics)会長は「これは若い世代による素晴らしい一枚であり、宇宙空間を加工する際にも卓越した才能を発揮している」と評しています。
その他の受賞作品は、以下の通りです。
「オーロラ部門」では、スロバキアの天文写真家、フィリップ・フレベンダ(Filip Hrebenda)氏による「In the Embrace of a Green Lady」が最優秀を受賞。
凍てつくアイスランドの夜空に浮かぶ緑色のオーロラと、それが湖面に映る様子を捉えています。
まさに、ファンタジー世界のワンシーンを切り取ったような一枚です。
「月部門」では、イギリスの天文写真家、マーティン・ルイス(Martin Lewis)氏による「Shadow Profile of Plato’s East Rim」が最優秀を獲得しました。
こちらは、月面の表側にある巨大なクレーター「プラトン(Plato)」を陰影鋭く写した一枚です。
「太陽部門」では、インドの天文写真家、スーミヤディープ・ムクヘリー(Soumyadeep Mukherjee)氏による「A Year in the Sun」が最優秀作品に。
これは、1年間を通して徐々に移動していく太陽の黒点を追った作品です。
「星と星雲(Stars and nebulas)部門」では、中国の写真家、ウェイタン・リャン(Weitang Liang)氏による「The Eye of God」が最優秀となりました。
こちらは、地球からみずがめ座方向に約700光年離れた場所にある「らせん星雲(Helix Nebula)」を写した一枚です。
太陽系に最も近い惑星状星雲の1つで、地球を見つめる瞳のような形をしています。
まさに、”神の目(The Eye of God)”と呼ぶにふさわしい作品です。
コンテスト審査員で、BBCスカイ・アット・ナイト・マガジン(BBC Sky at Night Magazine)のスティーブ・マーシュ(Steve Marsh)氏は、次のように感想を述べています。
「今年も世界最高峰の天体写真家たちが、その才能と革新性を披露するために集まってくれました。
今回は、宇宙望遠鏡で撮影したのかと思うほどハイクオリティーの作品が多数寄せられています。
こうした素晴らしい作品の数々を審査することは、これまでと同様、身の引き締まる思いであると同時に大きな喜びでもありました」
この他の受賞作品は、こちらの「Astronomy Photographer of the Year」ホームページから、ご覧いただけます。